わかりますか? 白鳥の鳴き声です。 「出発は3時半だよ」 場所は山形県鶴岡市大山にある「下池」。ラムサール条約にも認定された、渡り鳥たちの休息の場所です。朝5時、まだ暗い池からは、「クォークォー」と、白鳥の大きな鳴き声が聞こえてきます。どれだけの鳥たちがいるのかはわかりませんが、暗闇の中、半月に照らされた白い丸い塊が動くのはなんとか見ることができます。 夜明けとともに飛び始めたのは、「オオヒシクイ」。大きなカモの様な鳥です。エサを求めて周辺の田んぼにでも出かけるのでしょう。白鳥たちの大きな声が響く中、羽音が聞こえ始めます。そして、水をたたく大きな音。やがて大きな水音から、羽ばたく音へ変わります。白鳥の羽ばたきです。体の大きな白鳥は、水面を蹴りながらランディングをしなければ、飛べないようです。池の周りを2周、3周と回りながら高度を上げ、やがてエサのある田んぼに向かうのでしょう。 明るくなった池には、夜行性のカモたちが羽を休めに帰ってきていました。