日本を代表する俳優 高倉健さんが 亡くなられた。 任侠映画の主役が多かったせいか 修羅場の中をくぐり抜けながらも 最後まで生き残るイメージが強かったので 突然の訃報に驚いた。 しばらく テレビなどでは 追悼特集が組まれ 過去の主演映画が いくつも放映されることだろう。 僕が 思い出深いのは 「南極物語」だが 「幸せの黄色いハンカチ」「網走番外地」「野生の照明」「ブラックレイン」「鉄道員」などなど 人それぞれ 思い出に残る映画やシーンがあるだろう。 CMで有名になった「不器用ですから・・・・」は 高倉健さんの人柄を表す名台詞となっていたことは知っていたが 今回の訃報を伝えるワイドショーの中で 初めて そのCMを見た。 僕は 今 43歳だが さほど年齢がかわらないであろう当時の高倉健が そのセリフを言っているのを見て 「なんて 渋いんだ」と 惚れ惚れした。 僕も 明日から もう少し 言葉を少なめにして 口元を動かさずにいたら あんな渋さが出るだろうか まあ 渋さは 出ないとしても 「不器用」を自覚している点では共通だ。 最近 不器用なくせに あちこちと手を出し みんな 中途半端に終わっている 僕は 「不器用ですから」を どちらかというと ネガティブにとらえている しかし 健さんの「不器用ですから」は 少し違うような感じがする 「不器用」が できることは 少ない。 高倉健さんも あれほどの俳優なのに 「自分は 映画俳優だ」と 出番を「映画」に絞っていた。 健さんの「不器用」は 信念と時間によって熟成され 他の人が真似できない「味」となった。 健さんの「不器用ですから」は 謙虚さと共に かなりポジティブな「覚悟」のように思えてきた。 なんとなく 健さんの 「渋み」の正体が わかった気がした