先日、合格通知が届きました 造園の職に就くなら必ず持っていたい資格のひとつですね。 学科は過去問題を反復すれば特に問題はありませんが、実技に 関しては注意が必要です。 仕上がり、正確性、スピード、手順、適正道具の使用などを チェックされるので、充分に事前準備をしておく事が必要とな ります。 これから試験を受けられる方のために作業手順を書き出してみ たので参考にして下さい。 ただし、細かい取り決めは各都道府県で異なるので1度は地元 の講習会に参加をしておく事をお勧めします。 不思議な事にその場でしか伝えられない事もあるので... 造園技能士(1級)技術試験手順 1. 試験前 ・ 当日は長袖着用 ・ 道具の確認(使用する順に並べておく) ・ 関守石、筧の確認 ・ 支給品の確認(数の確認は確実にする) 立て子は35〜40枚が目安 ・ 水糸からのG.L.を把握しておく ・ ごろた石の角石を選んでおく ・ 役石や景石の面を見て据え方を決めておく 2. 竹垣 ・ 親柱と間柱の頭を10mm切り、保管しておく (頭は最後に使用する) 向きを決めたら胴縁の位置を色鉛筆で記す ・ 親柱を据付(建物の柱などと垂直を見通す)、H=1,000 穴を掘る前にピンポールで位置出し ・ 間柱を据付 (胴縁を仮置きし位置出し、親柱より高さ-120〜140を水糸 で確認) あらかじめピンポールで位置出しをしておく ・ 胴縁の取付 (親柱側は下から元・末・元で節止めとする、釘は節を貫通 させる) ※ゆがみの大きい根元付近は使わない ※斜め切りは実際の角度より鋭角にする 竹の穂節を前後にする 先に2m強ほどで切っておくと作業しやすい ひとつの染縄を2本使い用に束ねておく ※濡らした染縄はビニール袋に入れて使う (土などで汚れないように) 間柱側は染縄か釘で仮止めする (本止めは釘で止め染縄2本で二字掛け) ・ 立て子のかきつけ (1本縄でかきつけ数枚おきにころす、隙間を空けない) 立て子の足元になる部分をスコップで軽くほぐしておく 最初の3枚は末を上にし、その後は自由 最後は間柱の中心から3枚までとする 垂直に注意する 立て子4枚目の中段と下段張出部に仮止めの染縄を用意し ておく ・ 押縁の取付(親柱側は下から末・元・末とし節止め) ※ゆがみの大きい根元付近は使わない (太さも細めの物を選ぶ) 押縁が柱の面から出ないようにする 割るときの向きに注意する ※斜め切りは実際の角度より鋭角にする (柱との隙間が出来ないようにする) それぞれ染縄で仮止めしてから作業する 染縄2本使いで両サイドをまず結び、立て子の枚数で中心 を出して結ぶ 下がりは40mmとする(結びはあや掛け) 一番上の押縁は2ヶ所仮止め 立て子をカケヤで叩き頭を揃える ・ 笠は親柱側を元とし節止めにする ※ゆがみの大きい根元付近は使わない 笠を割る向きとゆがみに注意、金槌で節を抜く 斜め切りの角度に注意(柱との隙間が出来ないようにする) 染縄は3本使いで上に70mm、下がり150mmとする ・ 切り揃え (玉縁、胴縁、押縁は最後の立て子から立て子1〜2枚程度 分を残して 垂直に切り落とす) 3. つくばい ・ 手水鉢の据付(ピンポール2本で手水鉢の中心を出す) G.L.から300mmで据え、天端を海に向けて転かす 左下の角から1,000mmの所にピンを打ち飛石を仮置 ・ 前石の据付 仮置した飛石と前石の間は約100mm、そこにG.L.から 50mm上げで水糸を張る 糸より30mm高く前石を据える このとき、ついでに飛石も据えて糸を外した方が楽 ・ 手燭石の据付 手水鉢と前石の中間の高さ、約190mm (前石から110mm上がり) 天端は水平にし、海側に転かす (上から見て手水鉢に対しハの字なるように) 勢いは手水鉢へ ・ 湯桶石の据付(手燭石より天端は広く) 手燭石と前石の中間の高さ、約135mm (前石から55mm上がり) 天端は水平にし、海側に転かす (上から見て手水鉢に対しハの字なるように) 勢いは前石へ ・ つなぎ石の据付(6石以上使用) 手水鉢とそれぞれの役石の手前1/3を繋いだ円上に据える 面は海に向ける ちりは約50mm、根が切れないようにする ・ 海(それぞれの石の際はよく突込む) 整地した後、砂をスコップ一杯入れならす 水門石を置く(手前を土台の石が2石になるようにする) 4. 延段 ・ 水糸張り 自分で決めたG.L.から50mm上がりで延段のガイドを張る スコップで全体をほぐしておく ・ 板石の据付(水平器でレベルを合わせる) ・ 切石の据付(水平器でレベルを合わせる) 板石と切石の間は目地無し ・ ゴロタ石で延段の角石を据える ・ 外輪を据え、中を据える(禁忌に注意) 目地を突込み固める(際をハケで整える) ※やり過ぎないところで止めておく(石が動かないのが目安) ・ 飛石を据付 5. 景石・植栽 ・ 筧を設置する ・ 粗整地を行い植栽地に残土をまとめる (ここまでの作業で発生残土は最小限に) ・ 手燭石の際にサツキを1株植える (石から少し離して海に傾けて植える) ・ 築山を整えたら景石を組む(主石は立石とする) ・ カシを植え付け ・ サツキの植え付け ・ ヤブランとタマリュウの植え付け(ポットごと植え付ける) ※剪定は行わない ※サツキの根元が隠れるように 6. 整地・仕上 ・ ゴミなどを取り除き全体の点検を行う ・ 石の際、延段の目地などを特に綺麗にする ・ 整地した地面は箒の掃き目を付けて仕上げる ・ 飛石の上に関守石と最初に切った杭の頭を置く 7. 確認・片付 ・ 手落ち、不要物などを確認する ・ 道具を片付け、ゴミも確認して全て敷地外に出してまとめ ておく ・ 再度確認をして、作業終了を申告する ・ 完了 これを制限時間内に行います。延長時間に入ると5分毎に減 点されてしまいます。 ただ、早く終わっても仕上がりが雑だと減点され不合格にな る場合があります。とにかく落ち着いて作業することが大切 です。 その為にもしっかりと事前準備をして試験に臨んで下さい。