伍福園の庭ブログ〜南信州
カシノナガキクイムシについて考える
ニックネーム: 伍福園の庭ブログ〜南信州
投稿日時: 2010/09/09 21:12

今年の夏は、カシやナラの木の枯死被害が大変多い様です。

「カシノナガキクイムシ」・・・書くだけで長い名前です。

今朝のNHKで「カシノナガキクイムシの被害」について放送さ

ていましたのでここで少しこの話題についてとりあげたいと思

います。

私がこの被害について、深刻だと感じたのは盆休みに妻の

実家(愛知県)へ訪れた時でした。

愛知県瀬戸市を愛知環状線(高速道路)で通過した時、

茶色の点が無数にあることに驚きました。

運転中の私でも、山のカシが枯れている様子がよくわかるほど、

多くのナラ、クヌギが枯れていました。その様子を妻の父に話すくと、

「カシノナガキクイムシ」について詳しく教えてくれました。

 愛知万博跡地の「森コロパーク」でもカシノナガキクイムシの対策

として幹の部分をビニールシートで被覆してあるコナラを見かけました。

このように、ビニールシートで被覆することによって、

カシノナガキクイムシが幹へ穴をあける侵入(穿入)を防いでいます。

カシノナガキクイムシによって枯死したナラの写真です。(愛知県)

妻の実家裏山にも被害が出ており驚きました。

信州飯田ではあまり見かけない風景です。

キクイムシが穴をあけると、このようにおが粉が出ます。

皆さんの周囲のナラ、カシも注意して観察してください。

 どうして近年大きな被害がでているかよく分からないと,

NHKでも解説されていました。

弊社の資料で詳しい論文がありましたので、ここに紹介します。

2003年 森林防疫 FOREST PESTS(VOL52 No,7)別刷

京都府林業試験場の小林正秀・萩田 実 両氏の論文では、

燃料革命以降、樹(ナラ、カシ)の老齢過熟と風倒木、伐倒木、

巻枯らし木の放置によりカシノナガキクイムシが繁殖する要因

と述べてありました。

老齢大径化した広葉樹林において小径木を伐採する施業は

見直す必要があり、老齢木を積極的に利用することが防除に

つながると最後に書いてありました。

私たちは、森林を保護するのではなく、もっと利用しなければと

考えさせられる論文でした。


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