小さな小さな沢水が
零れるように岩肌を
薄く薄く覆いながら
小さな小さな滝を作る
両手に満たないその下に
手を差し入れてひとすくい
口に含んで喉を潤す
『おおっ 冷たくて 美味しい』
そう 多分唸ったような
ひとすくいの沢水に生気を得て
長く彷徨った森を後にして
ふたりは山路を下ることにした
不意に
俺を置いて
ひょいっとお前は沢を跳ねた
いたずらっぽい笑みを
そう互いに浮かべ
俺とお前は
沢を挟んで歩き出す
明日もここで遊ぼうだとか
ここはふたりの隠れ家で
内緒を守れと誓い合い
どんどんどんどん沢を下る
やがてカラスも帰る頃
だいぶ家も近いから
それじゃあ またなっと声掛ける
ああっ またなとくるはずの
お前の声が聞こえない
俺の言葉が届かない
お前が越えた沢水は
手を繋いでだって歩けてた
お前が越えた沢水が 今は大河となっている
対岸の俺が見えてるか
向こうのお前はどこにいる
安倍さんはそう年の離れた人ではない。
いつの間にか日本の中枢は
本当に戦争を知らない世代となった
勇ましくて戦意を煽り
自分に酔う為政者は けして戦場に立たぬ
自らの生命を屠して戦うものはいつも庶民者側に居て
あなた方ではない。
煽るなっ
煽るなっ
煽らなくていい
道は他にある。
ううう
それでも
煽るなら 自らが模範となりて
自分で進めっ
若者の命を・・・
他国の命を・・・
軽んじてはならないっ
いつの間にか
小川は大河になり
誰も止められなくなる