彼女が精一杯伸ばす指先の その先にある未来が
どんな風になるのだろうか それをみんなで考えなきゃねっ
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震災以来 ボランティアで花を植えていらっしゃる方々の
お手伝いが少しでも出来ればと
なんどかお邪魔している宮城県塩釜市の松島湾に浮かぶ浦戸諸島。
独特な島時間が流れる素敵な島です。
なんといっても 『日本三景』に数えられる松島湾ですから
その景観は日本の宝物です。
湾の中に人が住む島は全部で4つ(4島)あります。
手前から 『桂島』 『野々島』
『寒風沢(さぶさわ)島』 『朴(ほう)島』
いずれもそれぞれに個性があってそれぞれの魅力がいっぱいです。
遺跡があるためにこの浦戸諸島には縄文時代から
人が住んでいたことがわかっています。
海の幸 山の幸が豊富な島です。
このたびの東日本大震災ではやはり大津波が4島を襲いましたが
殆どの方が高台に避難し無事だったことで防災意識の高さが証明されました。
さてそんななかで
今 島の人たちと行政側との間に大きな問題が生じています。
『難しい問題だから・・・・』っと そこで考えることを止めずに
難しいことは単純に考えることで答えはすぐに出るのですが
『難しい問題だから・・・・・』っと簡単なことを難しく考えさせようとする人たちがいて
対立は やはり平行線をたどっているようです。
その『問題』とは 防潮堤の高さです。
まずは中立な立場で河北新報の報道をご覧ください。=1mの攻防=
是非クリック
先日(4/29)昭和の日に島に伺った際に
島の方々からこの問題についてお考えを直接伺いました。
要約すると とても単純なことなのです。
1. 当初の計画高海抜4.3mの防潮堤を 3.3mに引き下げたとしても
海の見えないことには変わりなく 暮らす島民の目線に立って
防潮堤の高さを2.3mまで引き下げて欲しい
2. 漸く戻りつつある観光客が海の見えない景観のためにまた去ってしまう。
3. 実際に人的被害が極端に少なかったのは
島民の津波に対する避難の意識が高く
地震後すぐに裏山に逃げたからで防潮堤に守られた訳ではない。
4. 防潮堤は津波を食い止める働きがあるのと同時に
人の流れまでも食い止めてしまい
やがて誰も住まない無人の島になってしまった時に
果たして3.3mもの防潮堤は津波から何を守ろうとするのか。
将来 また巨大な津波が島を襲った時
その未来の時代に生きる人たちは
松島湾に浮かぶコンクリートに囲まれた無人の島々を見て
祖先である平成に生きた私たちのことを
どう思いどう評価するのだろう。
いま行政に携わる人たちは
今を生きる人たちのこと以上に
未来に住む人たちの心情に想いを馳せれば
答えはあまりに単純に思えます。
『2.3mの高さに低く防潮堤を設定したのは
平成に生きた私たち島民の意志でありました』
そう刻んだ石碑を建ててもいいんだよっと話す島の方々を
ただ『そうだっそうだっ』とそばで頷く事しか出来ないけれど
せめてこうした問題が 今浦戸の島と県との間で起きていることを
ここに記して置きます。
行政が計画する海抜3.3mの高さはこれくらい。
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海が見えない
TP+3.3m[画像]
『これぐらいにして』と島民が願う防潮堤の高さははこれぐらい。
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海が見える
TP+2.3[画像]
そもそもどうしても防潮堤を作ると頑として譲らない県に対し
それならこのぐらいでっと妥協しているのは島の人たちのほうで
本当はそもそも防潮堤はなくてもいいよって思っているのだと思います。
なぜなら逃げた実績がこの島には何度もあるからです。
日本の中でもっと緊急に津波対策を必要とするところがあるならば
そちらに組み替える予算でいいのだと思います。
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彼女が精一杯伸ばす指先の その先にある防潮堤が
どんな未来を作るのだろうか
それをみんなで考えなきゃねっ
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島で見つけたヤドカリ2匹
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君たちの未来でもあるんだねっ