布地サンプルは揃えたものの、さてこれをどう加工するのか。
どれもプラスチック素材ですから、なんとなく接着して製袋するものと思っていました。
工場での製袋はさておいて、まずは自分で作ってみよう。
それでサンプル地を切って、接着剤で袋を作ることを試みました。
しかしまあ容易なことではありませんでした。
フェルトみたいな生地には接着剤がうまく着きません。接着剤も適合しているのかどうか判りません。
剛性の強い生地は、接着剤で着けてもピンピンはねてしまいます。アイロンをかけてクセをつけなければなりません。
それに果たして充分に接着しているのかどうか。
これらは工場で本格的に取り掛かれば当然解決出来ることでしょうが、そのラインに乗せるには相当大きなロットになることでしょう。
その辺りで”縫製”に思い至りました。
縫製ならそんなに大きなロットでなくてもいけるのではないか。よしよし。
ところがわが家にはミシンがありません。
ミシンを買おうかと言ったら、妻に白い眼で見られました。そうですね、ミシンはやはり女性の縄張り内です。
「扱ったこともないのに、何が出来ますか!」 なに、妻もミシンは苦手なのです。
近所の人に頼もうかとも考えましたが、先行きどうなるとも判らないことに知り合いを巻き込まないでくれと妻から釘をさされました。
とにかく私は防草ポットで植えてみたい一心ですから、ノリも駄目、縫いも駄目で、とりあえずホチキス留めで袋を作り、チューリップを植えたりし始めました。
一方、製袋工場の調査も始めました。
ネットで探せば当然ながらたくさんの会社が仕事を求めています。
なかには「小口OK」を売りにしているところもあります。
しかし、よくよく見れば小口といって10000枚とか。
多くが商社窓口で、工場と打ち合わせるとか、中国の工場に問い合わせるとか。
紙や植物繊維でなくプラスチックの製袋ですから当然熱接着の流れ生産です。
なかなか相手にしてもらえません。
それより参ったのが、「図面は?」と聞かれたことです。
私には袋の図面をどう描いたらいいか判らない。
−続く−