三寒四温の季節みたいに
寄せては返す波のように
散っては色付く山のように
人の記憶は行ったり来たり
突然に押し寄せる記憶と感情
心臓の鼓動が聞こえた気がした
あの日からまたあの日を思い出し
何も出来ない何もせずにいる自分がいる
心の中に留めていて思い起こさせるきっかけは
突然やって来る
何からしたらいいのだろう
そう思いながらの年月で遠くを見つめる自分がいる
持っていったのなら
返して欲しい
約束だったら仕方がない
それでも
やはり
こころづもりさせて欲しいよ
奪われ
空っぽのポケットはどれだけ時間をおいても
さみしいもの
叩いたビスケットは増えなくていいから
ちいちゃなかけらのままでいい
そんな思いを胸に抱えて生きるのは
辛いよね
それでも魂はきっと輝いている
声を掛けたら
返事が欲しい
せめて
せめて
振り向いて欲しい
だまって微笑むだけでいいから
三月は気持ちが揺らぐ
はや中旬も過ぎて
土はもぞもぞ変わらずに動き出している
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忘れない
