私たちが望んでいるのは、本来物理的な豊かさよりも精神的なそれのはずです。
そしてそれを享受するためのもっとも身近な方法が、居住空間、特にお庭の存在によります。
お庭は人の最小単位の集まりである「家族」のためのものであり、用途はさまざまであっても
誰に気を遣うこともなく、わざわざ出掛けなくともそれぞれの方だけの癒しの空間がそこには
あります。
住まいを構成する要素としてのお庭とお家。最大の違いはお庭は自然とのかかわりなしには
成立しないということです。もともと人間は自然のものであり、自然を介して、くつろぎや癒しといったことも
お家よりお庭で得られるものです。
幸い日本は世界で一番四季を感じることのできる国です。お庭に求められるのはズバリ緑にほかなりません。
癒しは普段使用していない五感によって得られます。花の香り、木々の葉からもれて差す光、
心地よく吹き抜ける風など。想像しただけでもリラックスしてきませんか。
お庭は各々の方のものであり、デザインもお庭の持ち主に帰属します。
本来デザインとは機能をつくり手の意思によって表現したものといえるでしょう。
美しいお庭は愛されてのみできあがります。
美は実体化によって生命に演出を施し、彩を添えます。お庭は刹那の美と普遍に持続する美の二面が
重なり合い、双方で充実した美を高め合っています。四季により刻々と移り変わる中の美があり、
いつも変わらぬスタンスでやさしく抱擁してくれる美しいお庭です。
私たちの精神もそれによって豊かに磨かれ、お庭もセンスアップしてゆくことでしょう。
大金をはたいて豪華にレンガを並べることや、広大なコンクリート製構造物は必要条件ではありません。
お庭をつくる方が”ただお庭を愛する”だけでよいのです。
Comprehensive Assesment System Building Environmental Efficiency