先月11・12日に限定公開された山口県防府市の「月の桂の庭」。 見学の報告、遅くなりました・・・。 いまから299年前に作庭された 一庭二景(東庭・南庭)の枯山水。 縁側から庭を見渡すとこんな感じ。広角レンズじゃないので写せないところが出てきてしまいますが。↓ 奥の、東庭は智門般若の体を象徴した庭だそう。 東庭、右半分↓石の上に石を重ねるというとても珍しい前衛的な構成! 東庭の左半分↓ そして南庭。東庭より手前のほうです。神仙境(神仙の住むような理想的な土地)の象徴の庭だそう。↓ 難しい禅の思想はともかく、この庭が既製の庭の概念を飛び越えた、現代美術のような美しいバランスを持っていることは誰が見ても明らかだと思いました。 「美しい」と感じる感性は、300年近い時を経ても変わらないものなのでしょうか。 美人のものさしについては、時代によりかなり変わっているように思うのですが・・・不思議ですね。(笑) この庭には、より広く見せようとするいろんな面白い工夫がされています。 まず、京都の龍安寺もそうですが、奥行き感がでるように、土塀が奥に行くほど低くしてあります。 一枚目と二枚目の写真を見ると、土塀の接点の高さが違っているので、よくわかると思います。 また、このお殿様専用の門の瓦も、手前より奥の瓦を多くすることにより、門の奥行を小さく見せ、それに対する庭の奥行を広く見せようという計算がなされていました。 当日は当主さんが自ら詳しく説明してくださいました。 旧暦11月23日の夜、今も月待ち行事が行われているそうです。 祭壇にお団子や小豆粥などを供え、月がこの兎石(L字型の石)の真上に月がかかるのを待って(夜中の2時ごろだそう!)、灯火を点け、お祈りをするのだと話しておられました。 また、ここは庭だけでなく建物にもいろんなうんちくが詰まっていました。 建物についてはまた次回書こうと思います。