さわやか信州の庭 toledo
40年前に過ごしたオホーツクの町
ニックネーム: toledo
投稿日時: 2015/10/28 07:46

私には、第二のふるさとが遠い北の町にあります。
結婚する前の5年程を知床の斜里町で過ごしました。朝晩は、ユースで働き、昼間はオーナーの経営するお店で働いていました。 そこでお世話になったオーナーの事を「とうさん」「かあさん」で呼んでいて、家族のように接してもらい、それからの人生の励みにもなった第二のふるさとです。

先週末に木枯らしが吹き、季節が冬になることを感じていた、その晩に、めったには鳴らない家電が鳴りました、一度切れてから、もう一度鳴り、出ると、斜里でお世話になったかあさんの息子さんからの電話で、かあさんが永眠されたとの事、 この秋に北海道行く計画していて、かあさんに会えると期待していたのですが、忙しくて実現しませんでした。前回、会ったのは17年前に、とおさんが無くなったときに会っています。 




私の大好きな山「斜里岳」です。 ここ数日、毎晩、古いアルバムを開いて斜里で過ごした当時の写真を見ていると、タイムスリップをしたように鮮明に知床の自然、かあさんの笑顔が思い出されます。

92歳のかあさんは、北見から嫁いだ人で、家の裏がら出てすぐ坂になる道は10メートルも上るとオホーツクの海が見えるのですが、私が車に乗せ、流氷を一緒に見に行くまでは、流氷を見たことがなかったといっていました。実母もそうでしたが、一生懸命に働く姿が眼に浮かびます。





私の居たユースから、オホーツクまでは、歩いて10分程で海を見ることができます。
アルバムの写真をカメラで撮って投稿していますが、斜里の浜から知床連山を見た写真、反対方向の網走方面を撮った写真、夕日は網走方面に沈みました。この浜にはたくさんの思い出があり、ハマボウフ・ハマナスを採ったり、夜に砂浜に寝転んで空を見てると暗闇の水平線に流れ星が幾つも落ちていくのが見えました。




斜里の浜は砂丘が続いていて北キツネが居て、獲った魚を放り投げるとピンと垂直に飛び跳ねて、羽を広げると2メートルにもなるオジロワシも悠々と飛んでいました。知床を望める以久科原生花園はエゾスカシユリが何十万株も自生している場所でオレンジ色のユリのジュータンになる場所です。




摩周湖にも、何度も出かけています。
夏であれば、裏摩周から湖畔に降りることができるので、電車で、みどり駅まで行き、そこから歩いて2時間ほど掛かりました。 当時はバスもなく車もあまり通らないのでテクシーで、空の一升瓶を持ち摩周湖の水を持ち帰りその水で夜には宴会。
湖畔にはエゾリスが居て、人を見たことがないのか手の平に乗ってきました。ザリガニも生息していて赤ではなく緑色をザリガニでした、湖は透明で潜ると陽射しが柱になって湖の中に刺さるように見えとても綺麗でした。



湖の中に浮かぶカムイシューの小島、摩周湖に行ったことのある人ならわかると思いますが、あの島に行けるとは思わないはずです。冬には全面凍結して湖畔からカムイシューまで速足で40分でたどり着くことができますが、カルデラ湖に張られた氷がボーン・ボーンと音を立てるのが不気味でした、今では懐かしい思い出のひとつになっています。 午後から天気が急変して、視界がきかず、絶壁の摩周湖では上れる場所が限られていて心配しましたが何とか無事に戻り、凍傷寸前でした。

今年初めての木枯らしは、かあさんが、会いに来たのかなと今では思います。かあさんの幽霊なら、うれしく思います。 かあさんと呼べる人がふたりもいて幸せです。








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