花と樹と風と土 ガーデン工房 結 -YUI- のガーデン通信
晴海フラワーフェスティバル2012
ニックネーム: 向井康治
投稿日時: 2012/11/07 04:18

 
 伝統ある晴海のフラワーカーペット(花の絨毯)。

 その仕事が舞い込んできたときは驚いたものでした。
 これまで10年間にわたって製作に関わってきた業者さんが今回撤退されるとのこと。
 

 わたしがフラワーカーペットという名でそれに関わったのは今からもう8年も前のこと。
 埼玉県で開催されたまごころ国体の会場を花で埋め尽くそうと、集まったボランティアのリーダーめいたことをさせていただき、100日前イベントと秋大会の本番でいくつかの花絵を製作しました。



 その時の素材は埼玉県中から好意で届けられ、あるいは県職員の皆さんが苦心して集められた花の数々。時季の合わない物は試行を重ねてドライフラワーにしたりして…
 川里町屈巣小学校のパンジー、チューリップ、サルビア。与野公園のバラ、小鹿野町のラベンダー、桶川のベニバナや他にハナカンザシ、カーネーションなどなど…



 国体会場の本番では多くの市民の皆さんが参加して下さり、ボランティアスタッフも県職員の皆さんも走り回り…
 そして完成させたのがこれでした。





 その時に花絵製作のノウハウを教えてくれたのが、確かこの晴海フラワーフェスティバルのスタッフの皆さんだったように記憶しています。
 その際は確かに準備から製作、メンテナンスまでずっと通して関わりました。
 でも、だからといってその8年も前の経験が、果たして本家の晴海で通用するかどうか?
 まして肝心の準備段階はほとんど県職員の皆さんが奔走して築き上げたようなもの。
 ですから、当時お世話になった職員の方に電話を入れて相談などもさせて頂きました。

 今回の花絵のテーマは「未来へつなぐ、つなげるチカラ」。
 3メートル×4メートルの花絵を4枚つないでそれをさらに5つのゾーンの合計20枚からなる壮大な絵巻です。晴海から中央区、中央区から東京、日本、世界へとつながり、そして海、宇宙、地球…平和のメッセージ。素敵なデザインだと思いました。
 そして企業や地元の団体が参加する個別枠、晴海中学の先生や生徒さんたちが作る砂絵による五輪招致エンブレム。
 全長160メートルに及ぶ花の絨毯を、350人もの市民ボランティアが、カラーサンドと10万本のバラを使って製作するというイベントでした。

 何度も打ち合せや下見を重ねて、会場に乗り込んだのは11月2日。
 まずは下絵張り。



 覚悟はしていましたが、それだけで夜中の12時まで掛かりました。



 11月3日。
 本番当日の朝に10万本のバラが到着。
 市民ボランティアの皆さんに集まって頂いて、午前中はトリトンスクエア2階ロビーで花むしりです。



 この間、わたしのしていた仕事と言えば、会場を走り回って備品を整え、ゴミを搬出し、出来あがった花びらを花絵会場に運び出すという…まさに花絵監修プロデューサーというその肩書き通りでした。

 午後からはいよいよ花絵製作開始。



 ここではもとよりわたしのチカラなど微々たるもので、花むしりもそうでしたが各チームごとに張り付いた経験者揃いの地元実行委員会の皆さんがとにかくがんばってくださり、また初めての経験だった筈の美大生を中心とした学生スタッフたちが思わぬ力量を発揮してくれました。





 ここでのわたしの仕事といえば…
 そこはプロデューサーですから、やはり不足資材の補充。つまりは追加の花むしりですね。



 今回使用したバラはケニア産ということで確かにものは良いのですが、なにぶんにもまだつぼみの固いものも多く、午前中の花むしりだけでは足りませんでした。



 しかし、それこそ市民ボランティアのみなさんにスタッフ合わせて総勢400名の力の結集の結果ですね。
 われわれにとっては初めての仕事だったにも関わらず、とてもすばらしい花の絨毯が完成しました。

 紹介します。



 東京電力の皆さんによるバラ。



 住友商事と東京学術大学の皆さんによるイルカと)人魚。



 住友林業緑化の皆さんによるご存じ、きこりん。



 NPO法人「水と緑と光に輝く中央区研究会」、「朝潮運河ルネッサンス協議会」の皆さんによる切り絵。



 そして晴海中学の先生、生徒、父兄の皆さんが本当にがんばって美しく仕上げて下さったサンドアート、「東京2020五輪招致エンブレム」

 さらにここからが5つのゾーンに分かれる「晴海からつながり拡がっていく笑顔のリレー」。



 晴海から中央区へ。



 花で巡る東京の旅。



 橋でつなぐ日本全国の旅。



 虹の五線譜で結ぶ世界の旅。



 海、宇宙、地球。



 平和…


 これから開こうとするバラの花びらをむしることへの抵抗はあるかもしれません。
 もともとフラワーカーペットの起源でもあるスペインの小さな村で作られる花の絨毯は、単に花だけでは無く野菜や彩色した穀物なども使い、工夫を凝らしてオーガニックな素材だけで美しい宗教画を描くイースター祭の行事なのだそうです。
 でもこうして製作した400名の、400通りの笑顔が生まれ、そこを訪れるさらに何百、もしかすると何千もの感動を生み出せるとしたら、10万本のバラたちの生命は充分に活かされたと思うのですが、いかがでしょうか?



 来年のこの催しにわたしがまた関われるかどうかは分かりません。

 正直言って2日間で30時間、張り詰めた神経で動き続けるというのは今のわたしには少々過酷で、この報告もなかなか手が付けられず、なんとかギリギリ開催期間中に間に合わせたほどです。(本日7日にグランドフィナーレを迎えます)
 ですが、皆さんのあの笑顔にまた会えるなら、そしてよく働いたあの気持ちのいいスタッフの面々にまた会えるなら、来年またこの会場に足を運んでも良いなと思えます。





 笑顔がずっとつながっていきますように。



 

 そういえば、ホームページを最近リニューアルしました。よろしければ、ご覧下さい。

 









































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