花と樹と風と土 ガーデン工房 結 -YUI- のガーデン通信
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昨年の春、4月下旬から5月にかけて… ロックガーデンですので、そこはただの石組みとは違い、岩と岩の間にたっぷりと腐食土を入れています。 それらの表土が当初、雨のたびに流出してお客さまにご迷惑を掛けてきました。 でも、それも夏までですので、どうかそれまではご辛抱下さい。 わたしはそう申し上げてきました。 それまでには岩と岩の間に植え込んだ低木がしっかりと根を拡げ、あるいは宿根草たちが地表を覆い、おのずと土の流出を止めてくれる筈でした。 ロックガーデンはどうしてもドライなものにならざるを得ません。 地表の水分はすぐに岩間に染みこんでしまい、さらに岩自体が水分を吸収します。 だからここで使う植物は乾燥に強く、日当たりの良い箇所では暑さにも強くなくてはなりません。 そうした中で少しでも早く地表面を覆ってくれるグランドカバーとしてわたしが採用したのは、 クリーピング系のタイム、セダム類、ヒメイワダレソウ、ヒメツルソバ、リシマキア ‘ヌンムラリア・オーレア’、ロニセラ、アメリカンブルー、コンボルブルズ、グーデニア、オノエマンセマといった仲間たちでした。 それらを環境ごとに使い分け、例えば南側はクリーピング・タイムを中心に、東のガレージをセダム類で、西側の落葉の林の足元はヒメイワダレソウで覆い、北の和の庭の建物寄りを日陰にも強いヒメツルソバで、樹の足元を同じくリシマキアでというように植え分けたのでした。 6月のこの時点ではごらん通り、ようやくシュートを延ばし、根を拡げ始めたところです。 一方でその他の植物たちも確実に大きくなり、あるいは花を咲かせ、あるいは色づき… これが5月のことでした。 さらに長かった7,8月を経て… さすがに9月ともなれば、植物たちのボリュームがはっきりそれと分かるほど増大しています。 このときの訪問ではさすがに追加は出来ず、秋の宿根草の植え込みは翌月まで待つことにしました。 その代わり、かなりの量の切り戻しを行いました。 土の露出もめっきり少なくなり、これでもう雨ごとの流出も過去のもの。 キッチンガーデンの野菜たちもこんなに大きくなり、 何よりも驚異的だったのはヒメイワダレソウたち。 雑草の世話をしなくて済むよう、早々に緑のカーペットにしてしまいましょう、 …とは申し上げましたが、 まさか半年足らずでここまでこの場所を気に入ってもらえるとは! 和の庭のグランドカバーももう一息といったところです。 10月の再訪と追加植栽をお約束して、まだまだ残暑厳しい9月の庭を後にしたのでした。 よろしければ、ホームページもご覧下さい。 http://www.yui-garden.com/ |