花と樹と風と土 ガーデン工房 結 -YUI- のガーデン通信
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まずは6月6日(土)。 津波の被害を跳ね返し、昨年から作付を開始した宮城県亘理郡山元町坂元地区の田んぼ。 昨年は最初の年に関わらず、本当に多くの生きものたちが登場して驚かせてくれた。 ここでは仙台に住む古い友人が、小さい息子を連れてきてくれた。 そして山元町の復興に取り組む仲間たちが集まってきてくれた。 開始直後は前夜からの雨も残っていたが、次第に雨もやみ… 最後には晴れ間さえ覗かせてくれた。 概して今回の調査は天候に恵まれたと思う。 泊まった翌日は資材の天日干しと整理さえ出来るくらいに。 翌週の6月13,14日。 東北大学とアースウォッチ・ジャパンによる「東日本グリーン復興モニタリングプロジェクト」、その南三陸での調査に参加。 自分が主催するので無く、唯一一般調査員として参加させてもらえる貴重な機会となった。 とても勉強になる。 今年はこれ一回きりの開催となってしまったが、できればもう少し研鑽を積みたい思う。 第3週の6月20日(土)、小川町の有機農法の田んぼで農作業と調査。 ここは3年目になるが、いつも生物の多様性に驚かされる。しかも毎回新しい生きものとの出会いが続く。 今回はこれから連携して下さるという埼玉県シェアリング・ネイチャー協会の皆さんと地元の若い親子、里山プロジェクトの皆さんが参加して下さった。 豊かな里山の自然の中に、明るい子ども達の声が響いた。 と、本当はこの後翌週の山元町で終わる予定だったのだが… この小川町の調査の直前、アースウォッチ・ジャパンの事務局長さんからお電話を頂戴し、急遽イギリスのお客さんにこの小川町の里山を案内してもらえないか、と。 6月25日(木)、平日であったがたまたま仕事の切りを付けられたので、イレギュラーながら小川町の田んぼの第2回調査を実施することにした。 お客さんはアースウォッチ英国本部の方。それに事務局長さん、事務局を手伝うシンガポールの留学生さん、大学で働くその友人のスイスの方、合計4名。 国際色は豊か。 調査の実際を見てもらうのが一番とこれも古い友人の森君に声を掛けたら、彼が快く調査を引き受けてくれた。(じつは前回調査に参加できず、悔しがっていた) この企画は大成功で、みんなとても日本の里山を楽しんでくれたし、生きもの調査にも夢中になってくれた。 あまり堪能で無い英語でわたしにあれこれ質問してくるのだけは勘弁して欲しかったのだが… ここでこの農地を切り盛りしている桑原さんが登場。 流ちょうな英語でまたたくまに彼らの疑問に答え、日本の里山と有機農業の実際と日本文化について語り尽くして下さった! 多彩な生きものと多彩な人間とを満喫した、実に有意義な一日だった。 第4週はふたたび山元町へ。 6月27日(土)。 地元の教育委員会が主催する「親子交流体験事業」の一環として、この生きもの調査を実施して下さった。調査地は初めての山下地区。5組の親子、6人の小学生が参加してくれた。 雨ではあったが現地ではサンプリングだけして、町の中央公民館のロビーを使って後のソーティングや同定作業をしようと決めていた。 幸い採取作業の間は大した雨にはならず、子ども達は嬉々として田んぼに網を入れて楽しんでいた。 それにしても小学生たちの集中力は素晴らしく、それに輪を掛けたようにご家族の皆さんも夢中になって生きもの探しを楽しんでくれた。 翌日の28日(日)。 この日むも雨の予報だったが、なかなか自分自身がじっくりと腰を据えた調査を出来ずにいたので、その欲求不満の解消のため、坂元地区のいつもの田んぼに繰り出した。 山元町に帯広から出向して来て下さっている西田さんが付き合ってくれた。 仙台の友人は家族がみんな風邪気味ということで、参加を断念した。 むしろ当然であろう。 が、 この時もたいした雨にはならず… そして楽しかった! 西田さんも心から楽しんでくれた。 とても熱烈なリピーターになってくれそうだ。 ありがたいことに他の出向職員の皆さん(全国からの)にも声を掛けて、誘ってくれるという。 わたし自身がそうであったように、この活動にはとてもリピーターが多い。 いろいろ気遣って参加してくださる方もいるに違いないが、それでも皆さんとても楽しんでいってくれる。 それが自然の力、生きものの魅力なのだろうなと思う。 そのように楽しみながら自然について学び、知らず震災からの復興を遂げていく郷土について学ぶ、そんな子どもたちが増えていってもらえればと思う。 7月も小川町と山元町で合計3回の調査を実施する。 頑張ろうと思う。 あ、 本業も、もちろん頑張る! |