たまには仕事のお話しも…
と言っても昨年紹介出来なかった、5月から6月にかけて手がけさせて頂いたお宅です。
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見ての通り、建物の外観といいすでに出来上がったお庭の景色といい、随所にこだわりの見てとれるお宅で、自分がどれだけお手伝い出来るのか、どこまでお手伝いして良いものなのか…
最初、困惑したのを覚えています。
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最初の訪問が3月5日ですからまだ芝は茶色で宿根草も土の中でしたが、季節になればこのお庭が充分素敵な表情を見せてくれることを、見て取る事が出来ました。
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駐車場の整備とか、フロントを除く3方の庭の雑草対策とかのご依頼もありましたが、わたしはこのお庭全体の空間構成から踏み込んでいくことにいたしました。
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この3月の時点で目を惹く緑が、僅かに大きく育ったローズマリーだけだったことも有ります。
常緑樹が欲しいと思いました。
そして3方のお庭に点在する山野草やそれに近い宿根草、低木たちをどこかにきちんと居心地の良い場所にまとめてあげたいと思いました。
そうすれば、あとは防草シートと化粧砂利で覆ってしまっても差し支えないでしょう。
営業さんからもいくつか提案があったようで、わたしはそれらを盛り込んだデザインをさせて頂いたところ、お話しはすんなりまとまり、宿根草の出揃う5月に着手することが決定いたしました。
(でないと、どこに何が隠れているか分かりませんからね)
5月の連休明けに始まったお仕事は、国際バラとガーデニングショウを挟んだりして5月下旬から6月にかけて本格化します。
ガウラとエリゲロンが見頃を迎えた頃です。
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場内の樹木を移動し、宿根草を堀りあげ、芝を切り取ってユーカリ・レッドガムの新材枕木でキッチン・ガーデンをこしらえて、夏野菜の苗を植えたり、
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その合間に移植した樹木に水をやりつつ、
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石張りなども施工しました。
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およそ工事現場らしくない優雅で楽しげな仕事ぶりは、ご近所の皆さんにもさぞ楽しんで頂けたことと思います。
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アプローチ上に立ったとき、つい目が届いてしまう西側の庭の入口には3本のシマトネリコを植えました。
3角に組んで重ねると視線を遮りながらも、間を縫って通行が可能です。これは同時に、右手居間の窓から左手隣家の玄関を結ぶラインの目隠しにもなってくれています。
いずれ、ここはシマトネリコの小さな林が生まれることでしょう。
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こちらは北側に作った坪庭です。
この庭の各所に育ってきた低木や宿根草を集めて、和室の低い窓からの眺めを演出しました。
建物に合わせてちょっとだけモダンにしたのが、並行に並べたサビ御影の延石です。
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その背景を務めるのが、背景のクセして季節ごとに彩りを変えてくれる頼もしい常緑樹、トウネズミモチ・トリカラーなのでした。
6月の下旬。
植栽の一部を手伝った娘と一緒に完成パーティーに招待していただきました。
その頃になるとご家族の愛情を受けたキッチン・ガーデンはさらに充実し、夏野菜とハーブと夏の一年草が競演を始めておりまして、
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玄関脇のオリーブもしっかり根を下ろし、移植した木々も落ち着きを見せて緑を輝かせ、
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お庭は、最初に訪問したときにわたしが想像したとおりの彩りに溢れ、きっと次の初夏にはさらに目を楽しませてくれることでしょう。
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実はこちらのご家族を起点に、じつはこの後さまざまな出会いや楽しい出来事が続いていくのですが、それはまた、次の機会に!
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/