飛鳥を訪ねるのは、う〜ん、20数年ぶり… ひょっとすると30年近いかもしれません。 最初が高校の時でその時以来ずっと、飛鳥はレンタサイクルでまわっていました。 驚いたこと。 その時からずっと景色が変わっていない! 確かに道路が幾分か整備され、特にサイクリングロードがきちんと整備されていたのはありがたかったし、新しい見学施設も増えていましたが… でも、それでも景色が変わっていないことが(ひょっとすると万葉の頃から?)何よりもうれしかった 今回は娘にとって初飛鳥なので、基本的な路線…つまり石造物と古墳めぐりの旅となりました。 鬼の雪隠、鬼の俎板、高松塚、猿石、欽明天皇陵、天智天皇・持統天皇陵、亀石、石舞台、酒船石… 昼食は明日香村役場近くの飛鳥藍染職館。 石舞台近くのレストランを目指していて途中で力尽きたのですが、妥協して入ったつもりが大当たりでした。 二八そばの御前は一品一品がとても丁寧に味付けされていてすべておいしく、店内も御覧のとおりでとても心地よい場所でした。 そのあとに訪ねた県立の万葉文化館は初めて来た施設でした。 趣向を凝らした常設展示(万葉の時代の文化や生活を立体的、体験的に展示したもの)や絵画展もさることながら、ガイドの方に説明していただいた渡り廊下から見下ろす古代の貯水池跡、工房跡が素敵でした。 これが工房の跡。 本物は地中深く保存されてこれはレプリカですが… この一角で日本最古の硬貨である富本銭の鋳造から鋳鉄、金銀銅の精錬、木工まで行われていたという古代のコンビナートなのだそうです。 すぐ近くには酒船石を代表とした水の流れを巧みに操った庭園施設があったようで、聞けばそれらがすべて天武天皇の時代に集中しているというから驚きです。 そして、飛鳥の最終目的地に設定していたのが飛鳥寺。 この日初めての仏像拝観です。(いうなれば、これは明日への伏線に当たります) みなさんもご存じのとおりこのお寺では仏像の撮影も自由にさせていただけます。 わたしの大好きな飛鳥大仏。 日本最古の仏像である釈迦如来坐像です。 それとこれも美しい聖徳太子16歳像。室町時代のものです。 暑い中をサイクリングで移動していると、こうした寺院の堂内がとても涼しく、生き返った心地がするものでした。 自転車を戻して再びクルマで帰路につきましたが、途中で立ち寄ったのが樫原神宮や神武天皇陵の北にある今井町。娘のリクエストでした。 (彼女の行きたかった古い長屋を店舗に改造した今井長屋は、すでに閉まっていたり定休日だったりしていましたが…) 通りは昔のままに狭いままで街並みの中に駐車場はなく、われわれの訪れた17時過ぎにはほとんどの店舗や施設が閉じているという… 古い街並みがいっさいの妥協なく整備・保存され、生活する生きた町として、観光客にこびを売ることのない毅然とした姿勢には感動すら覚えました。 (町中にクルマを乗り入れるのは避けたほうが賢明です。駐車場は町の北西側に小さなものがひとつ、そして町並みから南に外れた交流センターのそばに時間貸しのパーキングがありました) この日も宿に戻り、夕食と銭湯を済ませて帰るなりダウンしたのは言うまでもありません。 今日はこれから斑鳩から西の京にかけて旅します。