終わりました、造園技能試験。そして、無事、ここに帰ってきました。ただいま〜。
23日の学科試験は、翌日解答が発表されて自己採点したところ、ナントカ通過した模様です。で、問題は、やっぱり、実技試験ですね。
1級の実技試験は、私には、ハードルが超高かったです。あれだけの作業量を3時間でこなすのは正直かなり厳しく、最後の練習でも4時間を切れなくて、不安を抱えたままの受験となりました。その上、石の重さも半端ない。予想では、持てなくて転がすことになるだろう石は1個だったのですが、実際には4個を転がしました。暑さも尋常じゃない。その日は朝から体温並みの気温で、何もしなくても汗が滴り落ちる、いい加減にしろよ!って感じでしたね。終わった時は土と汗で全身ドロドロ、おまえはジャングルでゲリラ戦を闘ってきた兵士か!というぐらい、凄いザマでした。
ま、合否がまだ発表になっていないのにこんなこと書くのも何なんですが、もし落ちても、いい経験をしました。合格するにはもちろん、規定の時間内に規定のレベルで完成させなければならないわけですが、それをちょっと横に置いといて。とにかく4時間とか5時間とか掛ければ、建仁寺垣も蹲踞も延段も景石もそれなりの完成度で造れるようにはなったわけで、それは本当に良かったと、まずは素直に喜びたいと思います。
あとは、とにかく時間。つまりは、用意周到な段取り、無駄のない動き、一回で決める正確性、迷わないほどの慣れ、動じないほどの経験、そして馬力です。もっともっと練習、という側面と、ひたすら体力、という側面と。
けれども、今回一番試されたのは、精神的なタフさだったような気がします。何しろ時間との戦いなので、途中トラブっても動じているヒマはないし、迷ったり悩んだり嘆いたりしているヒマは一切ありません。全てをポーカーフェイスで乗り切って、前へ前へ淡々と進んでいく。その姿勢を3時間余り、崩すことなく繋いでいく。そして、最後まで決して諦めない。言い訳しない。ギブアップしない。そこが肝だったような気がします。
1級受験は、2級受験とは全く違う体験となりました。2級の時は、もちろんその時なりには大変だったのだけれど、今にして思えば天真爛漫だったというか、ストレートだったというか、若々しかったというか、何かそういう清々しさ、素直さが満ち溢れた体験でした。あの時は、2週間前の通し練習で既に2時間半の規定時間を軽々とクリアしていたし、要素試験の結果も満点だったし、合格を確信して合否発表を待っていましたね。
しかし今回は、忍耐と後悔、もどかしさ、ヒネリ、苦々しさ、割り切れなさ、そういうものを感じないではいられない体験となりました。より老練な職人を作り上げるためのプログラム、みたいなものが含まれている感じです。この程度でイラついたり、怒ったり、切れたり、諦めたりするようじゃ駄目なのよ、って言われているようでした。合否の結果はどうあれ、私自身は、この体験で随分オトナになったような気がします。老練な職人には程遠いけれど、そうなるためにはどういうことが必要なのかが、ちょっとだけ見えた、そんな感じです。
落ちたら来年どうするか、再挑戦するのか、そんなことも頭をよぎります。元々は、今年落ちたら、もう来年は再挑戦はしない、ワンチャンス、と決めていました。もう若くはないので、来年は今年以上に身体がきつくなるのは、ほぼ間違いありません。それ以上に、身体を壊してまで頑張るのは違うぞ、というのがあります。腰とか膝とか肩とかを痛めて、何もわざわざ苦しい老後にはしなくてもいいわけで、その辺を考えると、今一度、冷静になる必要がありますね。ま、結果が出る頃にはもう少しクールダウンしているでしょうから、それからゆっくり考えることに致しましょう。
それでは、日常の業務に戻りますか。