3月12日、退院しました。実に、55日間にわたる長い入院でした。
まずは日常生活の訓練です。退院の荷物を片付けながら、家の中の要所要所に椅子を配置してもらって、これで取りあえずはやっていけるかな、という体制を整えました。退院直前に、右足に体重の3分の2をかけられるようになって、松葉杖1本で歩く練習をしました。これで右手が空き、物を持って歩けるようになりました。もし松葉杖2本のままだったら、コーヒーカップ一つ持てず、家にいてもほとんど何もできなかったという空恐ろしい話です。病院では三食上げ膳据え膳、何かを持たなきゃいけない時は車椅子でしたからね。
しかし、食料品や日用品の買い物などは当然まだまだ無理で、ネットスーパーに登録して、配達してもらうことにしました。退院日の夕方に、早速たくさんの野菜や肉や魚が届いたのですが、これ、本当に便利です。足が治っても、ずっと利用することになりそうな予感。ケガや病気で出歩けない人や、老人世帯、働く主婦主夫、超多忙な人など、これで助けられる人はたくさんいるでしょうね。なにしろ、普通にスーパーに並んでいるものをネットで選んで、その日か翌日の指定の時間に届けてもらえます。注文は23時間OKなので、深夜でも早朝でも昼休みでも電車の中でも、手が空いたときにチャチャっと出来ちゃうんですよね。ホント便利な世の中になりました。もともと水やお米はネットで買って届けてもらっていましたが、ヒョンな事から、遂に何もかもネットで買うことになりました。
14日は退院後初の通院日。雨。いや、だから雨の日は危ないから外出しないって言ってるのに。しかし、担当医が今週は月曜午後しか外来診察日がないって言ってたから、しょうがない、行かなきゃ。で、結局タクシー。それでも、充分に疲れました。何しろ、何をするにも倍の時間がかかります。早過ぎるほど早めに出かける準備を始めたのに、お迎えのタクシーに辿り着いたのは約束時間の1分後。早めに玄関口に出て待っていようと思ってたのに、ギリギリになるなんてね。とにかく、急ぐとか慌てるとか、危ないのよ。厳禁なのよ。それでまた転んだりしたら元の木阿弥ですから。で、雨で随所で松葉杖滑るし、ホント怖かった。
こんな時は、人の情けが身に沁みます。こんな経験して、私はきっとこれから、人の痛みのわかる優しい人間になると思います。困っている人がいたら、サッと手を差し伸べる人になると思います。じゃじゃーん。そんなことを思う今日この頃です。いや、別に今までだって、それほどヒドイ人間ではなかったんだろうけどさ。