先日 法務省に務める友達から 「痛風になりましたので 飲み会を延期します。」とのメールが 来た。 彼とは 大学時代に 刑法のゼミで 他人からみると 暑過ぎる議論を交わした仲である。 ところで 刑法の大家で 「団藤 重光」という学者が いる。 少し真面目に勉強した法学部の学生ならば まず 一度は聞いたことがある名前であり 現在 裁判官や検事 弁護士になっている方ならば すべからく 影響を受けている大先生である。 大雑把にいうと 戦後日本の刑法は 団藤先生という巨人の理論に挑戦する学者達の戦いなのだと言っても過言ではない。 僕は メールをくれた彼と 団藤理論を巡って 議論したことを思い出し 痛風になったことを冷やかすため 「お前は 断糖だ!」と一喝してみました。(これ わかりますか? 団藤と 断糖を ひっかけた正統派のおやじギャグですよ) 彼に 馬鹿げたメールを送った後 ちょっと 気になり 「団藤 重光」をネットで検索してみた。 なんと 先月 6月25日に 先生は 98歳で亡くなられていた。 長生きといえば長生きだったが やはり 夢中で読んだ本の著者が 亡くなるというのは ちょっとショックだ。 団藤先生は 最高裁判事も務めており 死刑廃止論者として 有名だった。 死刑廃止論者になったのは 最高裁判事になってからだと聞く。 最高裁判所という国家の最高機関の椅子に座り 一体何を 感じて その意見を持つようになったのだろうか? 友達の痛風カミングアウトメールから 思わず 深ーい思索の森へと 入り込んでしまった。