中央道 笹子トンネルにおいて 天井板が崩落する事故が起きた。
不幸にして命をなくした方 けがをした方 と ぎりぎりで逃げた方との差は 35年分の1秒だった。(1/1103760000?)
自分もこのトンネルを通ったのは 1度や2度ではない。
ご冥福をお祈りいたします。
管理する高速会社は 早々に ボルトの老朽化 点検不足を原因に挙げ 事故から わずか2日程度で 業務上過失致死傷罪で 本社に警察の捜索が入るという素早さだ。
それだけ対応が素早いのは 他のトンネルでも 起こりうる可能性が高く 一刻も早く 点検を急がなければならないという焦りがあるからだろう。
今回 天井板を固定するボルトを止めていたのは 「ケミカルアンカー」という接着剤だ。
施工手順は
@コンクリートにドリルで穴をあける このとき コンクリートが固いかどうか 手ごたえを確認する
Aドリルの穴の直径 および 深さ が重要なので よくチェックする
B掘った穴の中をきれいにする これが 結構 重要だ!
Cケミカルアンカーには いろいろな物があるが 一般的には 筒状の袋の中に 主液と硬化液が別々にはいったものをつかう それを穴の中に入れる
Dボルトの先を少し尖らせておいて ボルトをねじ込む あるいは 叩き込む
E主液と硬化液の袋が破れ ふたつが混ざり合うと はじめて接着力が発揮される
我々 エクステリア業者も 「アンカー」をよく使う
我々の使う「アンカー」の種類は 大体3種類
@プラグアンカー
A叩き込みアンカー
Bケミカルアンカー
ケミカルアンカーは その中でも 接着力が強いと 私たちは 信じ込んでいる
しかし
ブロック工事協会では ブロックの鉄筋にアンカーを使うことを禁止している
実際 東日本大震災でも アンカーがつかわれたブロック塀が 多く倒壊した
でも アンカーは 現実として よく使われている 重宝だからだ。
「アンカー」の種類 正しい施工方法 そして アンカーに内在する危険性を知ったうえで 使うならば まだ良い方だが その危険性すら知らない職人 監督 設計者は とても多い。
何トンというコンクリート天井板を支えるためにも 使われていた 多分 高級なケミカルアンカーでさえ 時間 振動 トンネルという特殊状況には 勝てなかった。
もしかしたら アンカーは大丈夫でも その周りのコンクリートがだめだったのかもしれないが・・・・
教科書的には アンカーが禁止されている現場でも やはり アンカーは 工事業界から なくなることはないだろう。
当社としても 使用禁止することは 現時点では ありえない。 実際 昨日も ケミカルアンカーを使った。
今 できることとして アンカーの説明書をもう一度 熟読し 使っても大丈夫な現場か それしか方法がないのか その後の点検方法など 我々 民間の工事屋としても 改めて確認したい