わしゃあ、植木屋じゃけぇ。〜広島己斐の庭師のブログ〜
絵を描くように、モミジの手入れをする。
ニックネーム: 己斐の猿飛えっちゃん
投稿日時: 2010/10/19 19:14

マツやモミジなどの剪定をして、常々思うのですが、

手入れの結果の良し悪しは、その木が大きければ大きいほど、下から見上げた時の美しさに表れるように感じます。

枝や葉の密度は、お客さんそれぞれの好みがあって、必ずしも、わしの美的感覚を押し付けることはしませんが、

「おまかせ」となると、「この木が一番きれい見えるように、ハサミを入れよう」と当然なります。

で、今日の作業のメインがモミジでした。

教科書的には、落葉の時期に剪定すること、となっていますが、一年を通して、それなりにハサミの入れ方はあるもので、

紅葉をはさむ10月、11月は庭ごとに対応が異なります。

例えば、「紅葉は少しでいいから、落ち葉が少なくなるように、葉っぱは落としておいてね」と頼まれることもあるし、

「これから紅葉するから、切るのは、夏場に焼けた葉と見苦しい徒長枝くらいにしておこう」ということもあるわけです。

どちらにしても冬場は、葉っぱがゼロ枚になるわけですから、それを見越して、

枝の流れに主眼を置きつつ、残す葉の密度や形を考えて、ハサミを入れます。

イメージ的な例えになりますが、

横山大観の落葉した雑木林の画に、点描で緑色をつけていく、ような感覚です(伝えにくいイメージですが)。

ともかく、

下から見上げた時、川の流れのような枝ぶりに、

まるで風が見えるようにさらさら葉が揺れる、

そんなモミジにしたい、と思うわけです。




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