今日は庭の話ではありません。
ある方との出会いで印刷屋としてお手伝いをさせていただいている話です。
今回の震災を16年も前から予見し、警告を発してきた郷土史家、飯沼勇義という先生がおられます。
歴史の空白期間を調べていくうち
「仙台平野は巨大津波の常襲地帯だ」
という結論に到達します。
そしてまとめたのがこの本。
「近い将来仙台平野をまた巨大津波が襲う!
急いで津波対策を!」
との警告を、当時の仙台市長、宮城県知事に陳情書という形にして、16年前に出版されたものです。
震災後県から出された防災計画とそっくりなプランが、この本の中に掲載されています。
すでに16年前飯沼先生が考え、行政に進言していたというわけです。
仙台平野は逃げる高台がない分、三陸よりも被害は甚大と先生が予測した通り、悲惨な状況が現実のものとなってしまいました。
先生は自宅を蒲生に移され、地区の人たちに津波襲来の啓蒙活動をしながら研究を続けておられました。
論文は車に積んでおいたり、内陸部にすむ知人にその多くを預けての覚悟の生活だったそうです。
3.11…ご自宅は流され、避難所から、現在は仮設住宅にお住まいです。
81歳になられた先生は今講演、雑誌、新聞、TV取材に追われながらも、
「あと10冊は本を出さなくてはならないんだ。」
生涯のすべてを研究にかけてきたという先生の強い生き方に、人は各々天命を持ってこの世に送り出されてきたんだと思わずにはおれません。
現在前述の「赤本」は絶版になっているため、再版の準備を進めているというわけです。
興味のある方はこちらまでどうぞ。
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