こだわり派達がうみ出していく、これからの”庭”  〜奈良の地より〜
庭木の病害虫防除 其の2
ニックネーム: スキットマン
投稿日時: 2011/05/10 12:00

昨年にも同じタイトルで投稿しましたが

その第2弾として!

「使用薬剤についての話」が今回のテーマです。

[画像]

今年も我が家の窓辺のつるバラ「アンジェラ」が

開花の時期を迎えようとしていますが、今回ある

実験のため少し犠牲になってもらいました。

ついでに、こいつにもダウン

[画像]

写真に写っているのは、レモンの苗木。

アゲハ蝶の幼虫がみえます。

[画像]

アンジェラに群がるアブラムシの様子。

今回の実験というのは使用薬剤のテストで、

アンジェラには、春の伸長とともに、アブラムシが

つき始めていました。早い段階で駆除してしまおう

と思えば出来たことなのですが、かなり放っておき

やや、大量発生の手前まで・・・

また、レモンの苗木にも同様に、アゲハ蝶の幼虫の

食害に少し我慢してもらい・・・

条件が整ったところで、散布実験を開始!

今回試しているのは、「ニーム」が主原料の

天然植物資材で、いわゆる忌避剤というもの。

「ニーム」をご存じない方のために簡単に説明を

ニームとは、インド・バングラデシュ等が原産の樹木で

和名を「インドセンダン」といいます。

(ニームとはその英名のこと)

インドでは別名「村の薬局」と呼ばれ、薬の代わりとして

多くの症状の緩和に昔から利用されていたということ。

その木の実を搾りとったオイルのことを「ニームオイル」

と呼び、この中に含まれる有効成分の

「アザディラクチン」が、害虫にもよく効くと言われている。

その効果・効能の特徴は

@ その芳香成分で害虫を寄せ付けず、退去作用や

  拒食作用も発揮する

A 害虫の卵の孵化を抑制し、脱皮阻害効果を有し

  その個体数を減少させる

B肉食性昆虫やミミズなどの土中有益動物あるいは、

  脊椎動物に対しては、毒性を示さない。

C一般的な殺虫剤などの農薬に比べ、化学構造が

  複雑なため、容易に耐性がつかない

といったもので、東南アジア諸国などでは、国連の

WHOが、安全な植物性資材としてその使用を

推奨しているとのこと・・・

以上、我々のように日頃から害虫の防除作業を

行っているような者にとっては、夢のような資材

でありますが・・・

これだけで害虫被害の問題をすべて解決して

くれるものではないはず・・・

(健康被害をもたらす化学農薬が、すでに世の中

から姿を消しているはず)

今回の実験は、こうした優れた効果を持つ資材の

特性・効力を自分なりに理解し、病害虫防除対策に

使いこなしていこうとするためのものです。

話を戻しますが、今回主に試してみたかった

ポイントは、次の2点です。

@やや大量発生気味となった、アブラムシたちに

  どのような効果を発揮してくれるのか?

(ニームは、アブラムシにはとてもよく効くということ)

A草食系昆虫で完全変態するアゲハ蝶の幼虫が

 本当に脱皮できないのか、またどうになるのか?

を確認すること

このような人や自然環境に安全・安心な資材

使っての病害虫防除の背景には、当然お客様の

化学農薬に対する不満や不安がある。

「庭に放した愛犬が、農薬のかかった植物を

口にしてしまわないか心配・・・」

「家庭菜園の野菜に農薬がかからないか・・・」

等など他にもたくさんあります。

我々も農薬散布を繰り返しているうちに、

体調を崩すといったことも現実ある・・・

出来るだけ安全で安心して使える資材で

病害虫を防除していくというのは、

ますます、必要不可欠なことになると思う。

 そのためにも、

今後病害虫の発生とその防除に対し

如何にこの資材を有効に生かせるのか。

まだまだ、

いろんな状況での散布とその経過観察と

検証など続けていこうと思っています。

(尚、今回の実験の経過及び結果は後日)


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