花と樹と風と土 ガーデン工房 結 -YUI- のガーデン通信
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昨日、たった一日の仕事ではあったが段差解消工事をひとつ終えた。 足腰を悪くされて近く退院されるお母様のため、昇りにくくなった吐き出し口の段をもう一段加え、手すりも設置したいとのこと。 現場での工事は一日足らずだったが、最初のお打合せ、設計と見積もり、さらなる打合せ、資材の手配が有って、一昨日は木材に特殊な防腐加工を施してくれる群馬県の施設に、半日掛けて木材を引き取りに行った。 30年前に建てられたお宅は細部にそこそこ手間を掛けられていて、この犬走りや沓脱ぎも天然の石と小砂利の洗い出しを組み合わせたなかなかに酒脱なもの。 最初はこれを壊してコンクリートで新しい階段を製作してほしいとの依頼だったが、この沓脱ぎを壊すのはいかにも惜しく、また換気口もひとつ潰してしまうことになるので、木製の階段を提案させて頂いた。 木製で手作りの階段なら現況を損なわないで設置できるし、場合によっては取り外すことも可能。屋外でも特殊な防腐加工を施せば、無塗装で数十年の耐久性は期待できる。アンカーや補強材などでさして目立つことなく強度を高めることも可能だ。 このように足腰を悪くされたご家族のための住宅改修の依頼が、このところ増えてきた。 おつき合いをしている専門の工事店さんによれば、通年年末くらいでひと段落する工事の依頼が、今年は年を越しても変わらず続いているという。 以下はここ数ヶ月の間にわたしが手がけてきた工事の例。 どれも既存の手すりなどを使った簡単な工事で、一日か数日を掛ければ誰でも出来るもの。 なかにはそれなりの設計や工夫が必要なものもあるが、どうしてもうちでなければ出来ないというものではない。 それでも依頼して頂けるのはとても嬉しい。 仕事は何でもそうだが、それをやれば必ず喜んでくださる方がおられる。 こうした福祉住改修工事は、その対象者が身体の不自由な方だったり介護の必要な方だったりして、そのご当人だけでなくご家族全員に喜んでもらえるのが特に嬉しい。 以前、工事店の担当の方が話して下さった。 わたしの手がけた現場のお客さんから、「これまで自力で行くことの出来なかった大好きな庭に、ひとりで降りて行けるようになった」と涙ながらに感謝されたのだと。 昨日の木製階段の現場でも、ご家族の皆さんが交替で仕上がり様子を見に来て下さった。 やっていてよかったと思える瞬間である。 |