さて、東松山のウリン製ウッドデッキも最終工程です。
ウリンはすでにご存じの方も多いかもしれませんが、屋外のウッドデッキ材料としては最高の耐久性を誇る樹種です。
公称30年以上はかなり安い見積もりで、おそらく無塗装で50年近くは保つのではないかとさえ言われています。
それだけに大変高価であったため、これまで公共施設や一部高級層でしか使用されて来ず、わたしもしばらくは指をくわえて羨ましがるしかありませんでした。
それが近頃は比較的安く流通するようになり、購入量もロット単位ではなく一枚からでも届けてもらえるようになり、わたしも最近ではフェンス、アプローチ、門柱、水栓、そしてウッドデッキ、縁台といろいろな場所に使っています。
ウリンは別名ビリアンと呼ばれるクスノキ科の広葉樹です。
耐久性が抜群で重さは比重1.04と水よりも重く、釘やビスを寄せ付けない堅さ、曲げ強度1.84kg/cm2、圧縮強度911kg/cm2の強さを誇ります。樹液中に約14%のポリフェノールを含むために、バクテリアの繁殖を抑えシロアリを寄せ付けないと言われています。
それだけでなく加工性にもすぐれ、樹肌のきめが細かく色も美しく、唯一の難点は最初だけですが、樹液のポリフェノールがしみ出して周りを汚すことくらいでしょう。
今回はいくつか新しい工夫をしたのですが、その一つはこの立水栓です。
ウリン製の立水栓は山口県の業者さんに製作して貰っています。
デッキの基礎の間に排水孔を設けて周囲をコンクリートで均し、足元全体を大きな水受けにします。
その上から床板を張ると、デッキそのものが巨大なスノコとなり、ここで足を洗ったりペットを洗ったり、その他大きめの屋外用品も直接洗うことが出来るというすぐれもの。
水の跳ね返りが嫌なときは床板の一部を外したり、バケツやお洒落な鉢で受けたりも出来ます。
もちろん、排水孔の清掃のための点検口も設けていますので、ご安心を。
勝手口に近く、屋外の菜園に続くアプローチと直結する動線上に設置しました。
完成時には蛇口もアンティークなものに交換しますので、後ほどまたご紹介します。
昨日はこのようにして床板と幕板を取り付け、物干し、布団掛け、ステップを仕上げました。
ウリンはビス1本打つにも、皿錐で浅くて大きな下穴と、さらに細くて深い下穴のふたつを開け、それからスクエアビスをねじ込んでいきます。だからいつも3台のドライバーを使う気の遠くなるような作業です。
まさにやっと終わったという感じですね。
さて、お庭全体もこれから最終工程に向かいます。
また、紹介させていただきますね。