わしゃあ、植木屋じゃけぇ。〜広島己斐の庭師のブログ〜
スタンダードな築山に、珍しい仕立てのカリンの庭。
ニックネーム: 己斐の猿飛えっちゃん
投稿日時: 2010/10/16 19:00

新規のお客さんの庭の手入れに入るのは、

「どんな庭かな、今までどんな手入れをしてきたのかな。」と興味津々になるものです。

今日初めて仕事させてもらったお庭は、門冠のマツがメインの表庭と、

築山にウバメガシの段づくりを据え、築山の左右のすそ野にカリン(左)、ウメと朱モクレン(右)を配した五坪ほどの内庭があるお宅でした。

わしはせっかちMAXの親方に内庭を任せられました。

築山の内庭は、造りとしてはオーソドックスな印象でしたが、カリンの樹形が珍しいものでした。

一般的に、カリンの自然樹形は直幹ですが、ここのカリンは庭にかぶさってくるような、曲幹仕立てでした。残念ながら、この時期黄色く色づいているはずの実は一つだけでしたが。

よくよく見ると、この内庭は、和室からと居間からと90度角度の違う部屋から眺めるようになっています。

和室からは、右袖にウメを置いて築山を眺め、

居間からは築山をやや横から眺めるようになります。

カリンが直幹だとしたら、居間からはカリンの植えてある築山の左は、死角となってしまいます。が、曲幹であるおかげで、居間からもカリンの枝がしっかりと見えるのです。

庭は、いろんな角度からの目を意識して、つくるものなんだよなあ、とあらためて考えました。


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