新規のお客さんの庭の手入れに入るのは、
「どんな庭かな、今までどんな手入れをしてきたのかな。」と興味津々になるものです。
今日初めて仕事させてもらったお庭は、門冠のマツがメインの表庭と、
築山にウバメガシの段づくりを据え、築山の左右のすそ野にカリン(左)、ウメと朱モクレン(右)を配した五坪ほどの内庭があるお宅でした。
わしはせっかちMAXの親方に内庭を任せられました。
築山の内庭は、造りとしてはオーソドックスな印象でしたが、カリンの樹形が珍しいものでした。
一般的に、カリンの自然樹形は直幹ですが、ここのカリンは庭にかぶさってくるような、曲幹仕立てでした。残念ながら、この時期黄色く色づいているはずの実は一つだけでしたが。
よくよく見ると、この内庭は、和室からと居間からと90度角度の違う部屋から眺めるようになっています。
和室からは、右袖にウメを置いて築山を眺め、
居間からは築山をやや横から眺めるようになります。
カリンが直幹だとしたら、居間からはカリンの植えてある築山の左は、死角となってしまいます。が、曲幹であるおかげで、居間からもカリンの枝がしっかりと見えるのです。
庭は、いろんな角度からの目を意識して、つくるものなんだよなあ、とあらためて考えました。